老川 典夫 教授, 京都大学農学博士, 健康食品管理士

Tadao, OIKAWA, Professor, Ph.D, Functional Food Consultant


専門分野:酵素科学,酵素工学,タンパク質工学,遺伝子工学,応用微生物学


主要研究テーマ:

@ 新規生体触媒(酵素,微生物)の探索,特性解明と産業利用


 自然界から食品や医薬品などの産業上有用な化合物を合成する新規生体触媒(酵素,微生物)を単離し,その特性を解明するとともに企業との共同研究により、特許の取得や産業利用を検討しています。
 わたくしたちは三井化学株式会社,大阪市立大学,京都大学化学研究所との共同研究により新規酵素γ-レゾルシン酸デカルボキシラーゼを生産する微生物を発見し,本酵素が新規な亜鉛含有型デカルボキシラーゼであることを初めて明らかにしました。

A 低温微生物酵素の低温適応戦略の解明と好冷型酵素のタンパク質工学的創製


 低温環境下に生息する微生物の生産する酵素がどのようにして低温環境下で触媒能を獲得するのかを分子レベルで究明しています。
また得られた知見をもとに低温環境下で高い触媒能を有する酵素(好冷型酵素)をタンパク質工学的手法により創製したいと考えています。
 好冷型酵素は原料や生産物が熱に不安定な場合に有効であると考えられ,化粧品,医薬品,食品などの分野での物質生産への応用が期待されています。

B 食品や植物中のD型アミノ酸の生成機構の解明と機能性食品開発


 食品や植物中に存在するD型アミノ酸の定量的解析とその生成機構について研究を行っています。
D型アミノ酸であるD-セリンは脳内のNMDAレセプターのコアゴニストとして機能しており統合失調症などの疾患の治療薬として期待されています。
 今後さまざまなD型アミノ酸の生理的機能が解明されれば,これらを強化した機能性食品の開発が望まれると考えられます。

C アミノ酸代謝関連酵素の構造と機能の解明


 アミノ酸は化学調味料,食品添加物,医薬品中間体として重要ですが,タンパク質の構成単位として生体の必須構成成分です。
 わたくしたちは超好熱始原菌,コリネ型細菌などの微生物のアミノ酸代謝に関与する酵素の構造や機能を解明し,生命の根幹を担うアミノ酸の生合成や分解機構を究明するとともに,アミノ酸の効率的な酵素及び微生物生産法を開発しようと考えています。





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